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血液・腫瘍班

4代前の主任教授の植田穣先生は1969年に東京小児白血病研究グループ(現在の東京小児がん研究グループTCCSG)の創設に参加され、現在の日本の小児白血病治療の先駆者的存在であり、現在の血液班もその流れを汲む臨床及び基礎的研究を行っている。

学会関係では、班員は全員日本血液学会、日本小児血液・がん学会の会員である。さらに日本血液学会には代議員が2名、日本小児血液・がん学会には理事が1名、評議員が4名、組織球症委員会委員が2名(1名は委員長)おり、それぞれ活発に活動している。

現在の主な研究

臨床研究

  1. 小児白血病、リンパ腫、神経芽腫などの治療プロトコール研究
  2. 小児がんの治療に伴う晩期合併症の研究
  3. 小児がんに伴う心理学的問題の検討
  4. 日本の小児の貧血の基準値の検討
  5. 組織球症関係の全国調査等

基礎的研究

  1. 抗がん剤の薬剤耐性とepigeneticsの研究
  2. NMRを使った薬剤耐性の解析
  3. 白血病細胞の新しい培養法の開発
  4. 人工骨髄の研究
  5. 造血臍帯血を中心にした幹細胞の多能性の検討
  6. 臍帯血のヘモグロビンクラススイッチのメカニズムの解明
  7. 造血幹細胞を標的にした遺伝子治療の安全性の検討

代表的研究成果

各研究班の数多くの研究発表の中から、代表的なものを解説付きで掲載しています。

  1. Yasushi Ishida, Miho Maeda, Kevin Y Urayama, Chikako Kiyotani, Yuki Aoki, Yoko,Kato, shoko Goto, Sachi Sakaguti, Kenichi Sugita, Mika Tokuyama, Hisaya Nakadate, Eizaburo Ishii, Masahiro Tsuchida, Akira Ohara. Secondary cancers among children with acute lymphoblastic leukaemia treated by the Tokyo Children’s Cancer Study Group protocols: a retrospective cohort study. Br J Haematol. 164:101-112, 2014
    小児白血病の晩期合併症である二次がんについての調査を行い、2918例の白血病症例から20年で累計2.4%の二次がんが発生していることが判明した。
  2. Kato Y, Maeda M, Aoki Y, Ishii E, Ishida Y, Kiyotani C, Goto S, Sakaguchi S, Sugita K, Tokuyama M, Nakadate H, Kikuchi A, Tuchida M, Ohara A.
    Pain management during bone marrow aspiration and biopsy in pediatric cancer patients. Pediatrics International. 56:354-539, 2014
     骨髄穿刺時の疼痛コントロールに関した調査結果。
  3. Motohiro Kato, Katsuyoshi Koh, Atsushi Manabe, Tomohiro Saito, DaisukeHasegawa, Keiichi Isoyama, Akitoshi Kinoshita, Miho Maeda, Yuri Okimoto,Michiko Kajiwara, Takashi Kaneko, Kanji Sugita, Akira Kikuchi, MasahiroTsuchida, and Akira Ohara. No impact of high-dose cytarabine and asparaginase as earlyintensification with intermediate-risk pediatric acute lymphoblasticleukemia: Results of Randomized Trial TCCSG study L99-15
    Br J Haematol 164(3):376-383, 2014
    東京小児がん研究グループにおける中間リスクのALL治療において、high doseのシタラビンとL−アスパラギナーゼの治療について、それ以前の治療と比較し優位性がなかった。
  4. Asano T, Kogawa K, Morimoto A, Ishida Y, Suzuki N, Ohga S, Kudo K, Ohta S, Wakiguchi H, Tabuchi K, Kato S, and Ishii E. (2012) Hemophagocytic Lymphohistiocytosis After Hematopoietic Stem Cell Transplantation in Children: A Nationwide Survey in Japan. Pediatr Blood Cancer. 59:110-114, 2012
    日本小児血液学会LCH/HLH委員会(現:組織球症委員会)が行った造血幹細胞移植後のHLHの発症調査報告
  5. Asano T, Ichiki K, Koizumi S, Kaizu K, Hatori T, Fujino O, Mashiko K, Sakamoto Y, Miyasho T, and Fukunaga Y. IL-17 is increased in cerebrospinal fluids in bacterial meningitis in children. Cytokine 51:101-106, 2010
    脳症ではIL-8, 細菌性髄膜炎ではIL-17が重要で、またムンプス髄膜炎は他のウイルス性髄膜炎とはサイトカインの発現パターンが違っていた。他3編の本研究に関する論文あり。
  6. Ueda T, Fujita A, Ogawa R, Itoh Y, Fukunaga Y, Shimada T, MigitaM. Adipose-derived stromal cells grown on a hydroxyapatite scaffold can support hematopoiesis in regenerated bone marrow in vivo. Cell Biol Int. 38:790-798, 2014
    ママウスの脂肪由来間葉系幹細胞を用いて人工骨であるハイドロキシアパタイトに造血細胞の増殖・維持機能がある骨髄を再現させ、骨髄由来細胞より容易に採取できる脂肪由来間葉系幹細胞の有用性を確認した。
  7. Fujita A, Migita M, Ueda T, Ogawa R, Fukunaga Y, Shimada T. Hematopoiesis in regenerated bone marrow within hydroxyapatite scaffold. Pediatr Res. 68:35-40, 2010
    マウスの骨髄由来間葉系幹細胞を用いて人工骨であるハイドロキシアパタイトに造血細胞の増殖・維持機能がある骨髄を再現させた。
  8. Hayakawa J, Hsieh MM, Washington KN,Uchida N, Phang O, Tisdale JF. The assessment of human erythroid output in NOD/SCID mice reconstituted with human hematopoietic stem cells. Cell Transplant. 2010;19(11):1465-73.
    ヒト化免疫不全マウスを実験系に用いるにあたって放射線照射を用いない移植の系を確立した。またヒト化マウスはerythroid系の評価には使用できない理由を解明し、どのようにしたら実験に用いることができるかを検討した。本研究は今後、造血幹細胞の分化メカニズムの解明や、遺伝子治療や造血幹細胞移植の基礎的研究、iPS細胞やES細胞などの疾患特異的モデルの作成に応用することができる。
  9. 前田美穂. (責任編集)小児がん治療後の長期フォローアップガイドライン 医薬ジャーナル社 2013年12月
    小児がんの長期フォローアップの日本のスタンダードについてのガイドライン